血液透析患者にとって透析液の清浄化が必須であることは言うまでもないが,透析排水の水質管理も同じく重要な問題である.透析排水をそのまま公共用水域に放流すれば,環境負荷が懸念される.本稿では施設透析における透析排水についての一般的な考え方と法律上の規制について述べる.さらに在宅血液透析(Home Hemodialysis:HHD)における透析排水管理の重要性と問題点について述べる.HHDは長時間透析,頻回透析を可能にし,末期腎不全患者にとって有益な血液浄化療法の一つである.患者にとって利点の多いHHDを円滑に導入するためには,排水処理対策は不可欠である.HHDの普及のためには,地域や行政との綿密な連携が求められている.HHDについての社会への理解と環境が整えられていくことにより,多くの患者のQOLの向上に期待したい.