日本在宅血液透析学会誌
Online ISSN : 2435-2519
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学会報告
  • 菅沼 信也
    2021 年 2 巻 2 号 p. 27-35
    発行日: 2021/11/09
    公開日: 2022/11/09
    ジャーナル フリー

    当施設では,利点の極めて多い在宅血液透析(HHD)普及に向けた5つの取組みとして,①当施設WEBサイト,ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)でHHD実例等を紹介,②エコーを用いた自己穿刺指導,非常勤血管外科専門医によるバスキュラーアクセス(VA)外来,③在宅オンライン(On-line)HDF,アシストHHD,介助者による自己穿刺援助,在宅オーバーナイト透析等HHD適応例の拡大,④月1回の施設透析実施の推奨,⑤腹膜透析(PD)+血液透析(HD)併用療法の推進を行っている.施設透析時には血液ガス分析も実施でき,鉄剤やリン(P)吸着薬の選択に活かしている.当施設でのHHD開始半年後,ドライウェイト(DW)及びヘモグロビン(Hb)値上昇傾向,ベータ2マイクログロブリン(β2MG)値低下傾向を認め,尿素窒素(UN)値が有意に低下しており,HHDにより,良好な生命予後が期待できる.

  • 八木 早苗, 宇佐美 友規, 佐々木 智枝子, 山本 瑞紀, 佐々木 佳子, 吉澤 由紀枝, 森 潔
    2021 年 2 巻 2 号 p. 36-38
    発行日: 2021/11/09
    公開日: 2022/11/09
    ジャーナル フリー

    当院では,在宅血液透析(以下HHD)を希望する患者に対し,導入指導開始前に説明を行っている.しかし,患者の理解度を充分評価できないまま導入指導を開始したため,指導が順調に進まない事例を経験した.そこで,2019年1月HHD希望患者に対し,理解度や適応について把握できるように,腎代替療法選択外来(以下そらまめ応援外来)の各療法詳細説明の外来枠を活用し,患者説明を3段階に分けて行うフローシートを作成した.フローシートの作成で,段階的に統一した患者説明,複数回の面談,有効な合同カンファレンスが実施できた.

    HHD導入指導開始前に必要な情報を正確に患者に提供でき,医療従事者側も患者や介助者の理解度,性格や関係性を把握し,合同カンファレンスでHHDに適しているか,どういう指導方法が良いかなどの評価がしやすくなった.

  • 北村 健太郎, 関原 宏幸, 長澤 正樹, 田村 克彦, 栗原 重和, 穴山 万理子, 中村 裕紀, 牧野 靖
    2021 年 2 巻 2 号 p. 39-42
    発行日: 2021/11/09
    公開日: 2022/11/09
    ジャーナル フリー

    在宅血液透析(HHD)は医療者が体液量を評価する機会が少なく,体液量の変動が少ないため過剰な除水を発見できず,血圧低下やVascular Access(VA)トラブル等を惹起する可能性がある.

    当院では11名のHHD患者を経験した.その内,インボディジャパン社製In-Bodyを用いたBioelectrical Impedance Analysis(BIA)にて体液過少を発見できた4症例を経験したため考察し報告する.

    3症例はVAトラブルを生じ,1症例は透析中の血圧低下や下肢痙攣を生じた症例であった.

    VAトラブルを生じた3症例は全例で穿刺に問題はなく,穿刺による影響は少なかったと考え,体液過少がVAトラブル等を惹起している可能性が示唆された.また全例で浮腫等の理学的所見や血圧・心胸比では体液過少の評価が困難であった.そのため当院では現在HHD施行中の患者全例に対し定期的なBIA管理を行っている.

  • 杉山 正夫, 大橋 直人, 鳴海 敏行, 村杉 浩, 友利 浩司, 岡田 浩一
    2021 年 2 巻 2 号 p. 43-45
    発行日: 2021/11/09
    公開日: 2022/11/09
    ジャーナル フリー

    在宅血液透析(以下,HHD)では,トラブル対応時にタブレット端末を用いて画像の送信やビデオ通話が行えるため,遠隔監視システム(以下,遠隔システム)を導入する施設が増加している.一方,HHD患者数は年々増加傾向にあり,現状の活用方法ではスタッフの負担が大きくなる.そこで,各装置にアラート機能を設定し,装置異常が予測されたときに管理施設へアラートを通知できれば,トラブルを未然に対処でき,業務の効率化とスタッフの労務軽減に繋がると期待される.

  • 杉山 正夫, 大橋 直人, 鳴海 敏行, 村杉 浩, 友利 浩司, 岡田 浩一
    2021 年 2 巻 2 号 p. 46-48
    発行日: 2021/11/09
    公開日: 2022/11/09
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    【目的】緊急事態宣言前後での装置トラブル件数を調査し,定期点検期間を再考した.【方法】対象は当院在宅血液透析患者43名とし,調査期間は2020年4月に発令された緊急事態宣言の前後1年間とした.また,点検頻度の異なる宣言前(3ヶ月毎),宣言後(6ヶ月毎)に分け,個人用透析装置・RO装置のトラブル件数とその内訳,発生時期,定期点検時の物品交換の有無について調査した.【結果】トラブル件数は宣言前:3件,宣言後:26件であり,個人用透析装置・RO装置のトラブルは宣言前:2件・1件,宣言後:21件・5件であった.また,トラブル発生時期は宣言前後で共に気温変化の大きい時期に多い傾向にあった.【考察】気温変化による装置内部のゴム類の変形が水漏れや装置内圧力の変動を引き起こし,トラブルに至ったと推察された.したがって,点検頻度を気温変化の大きい四季に分けることで,臨時訪問が必要なトラブルへの発展を防げると考えられた.【結語】在宅血液透析における定期点検は3ヵ月毎に実施することで臨時訪問件数の低減に繋がる.

  • 南出 悦子, 古澤 真由美, 宮本 和代, 荒木 陽子, 富田 一聖, 富田 耕彬
    2021 年 2 巻 2 号 p. 49-50
    発行日: 2021/11/09
    公開日: 2022/11/09
    ジャーナル フリー

    在宅血液透析(以下HHD)導入において,介助者が患者を支えたいと思う気持ちの半面,不安を抱えた症例に対して看護師の関わりを振り返った.HHD導入期の看護は,介助者のことを最優先に考えながらコミュニケーションをとり,患者との懸け橋的な役割を担うことによって,介助者の不安の軽減につながる.安心して安全にかつ患者・介助者が円満にHHDを継続するには,介助者の思いに共感しながら,寄り添い支えることが看護師の役割である.

  • 荒木 陽子, 一色 啓二, 富田 一聖, 富田 耕彬
    2021 年 2 巻 2 号 p. 51-52
    発行日: 2021/11/09
    公開日: 2022/11/09
    ジャーナル フリー

    在宅血液透析(HHD)では,看護師の十分な関わりがなく,HHD管理を行っている施設が散見される.そこで,HHDにおける看護師の役割を看護の定義に基づき考察する.

    HHD領域においても「自立に向けた個別的な看護」は必須であり,私達看護師は看護の機能を十分発揮すべきである.HHD導入マニュアルは,同じでも個々の患者,介助者にあった指導を行い,その過程での関わりこそが信頼関係の構築に繋がる.介助者がHHDに疲弊することなく,患者と共に元気に過ごせるようサポートすることこそが看護師の役割である.

  • 冨田 健水, 村石 大樹, 伊佐 慎太郎, 大橋 直人, 杉山 正夫, 石坂 直樹, 村杉 浩, 友利 浩司, 岡田 浩一
    2021 年 2 巻 2 号 p. 53-55
    発行日: 2021/11/09
    公開日: 2022/11/09
    ジャーナル フリー

    穿刺困難を理由に当院に入院した患者14名を対象に穿刺困難に至った原因及び在宅透析復帰できた患者の要因を調査した.方法として在宅透析復帰群と・離脱群に分け,①患者背景,②再訓練実施症例での,年齢,再訓練期間,施設透析移行事由について,調査・比較を行った.結果は,復帰群は離脱群に比べ若年かつ就業している割合が高い傾向であった.自己穿刺困難に陥り,再訓練を要する場合,在宅透析復帰へのモチベーションとなる就労や生活環境維持などの要因が再訓練への強い原動力となり,復帰につながると考えられた.

  • 平 ひとみ, 森石 みさき, 真島 菜々子, 小田 まや, 土谷 晋一郎
    2021 年 2 巻 2 号 p. 56-58
    発行日: 2021/11/09
    公開日: 2022/11/09
    ジャーナル フリー

    在宅血液透析(HHD)は連日の穿刺により血管が荒廃し,穿刺困難や菲薄化,止血不良などが生じる例がある.今回,ダルニードル針,AVF針使用中に血管への穿刺トラブルを認めた4症例について,穿刺針の変更と自己穿刺の再教育を行った.

    4例中2例はダルニードル針からAVF針,さらにプラスチックカニューラ針に変更した.2例はAVF針からプラスチックカニューラ針に変更した.

    ダルニードル針はトランポリン現象や肉芽形成,感染が発生した.AVF針では全症例で穿刺部に菲薄化や発赤出現を繰り返した.プラスチックカニューラ針は広範囲に穿刺ができ,体動による血管損傷もなかったが,手技にコツが必要で回路との接続に介助が必要となった.

    全症例で最終的にプラスチックカニューラ針へ変更したが,それぞれの針にメリット・デメリットがあり,患者の穿刺技術や介助者の負担などを総合的に考慮しながら針を選択しなければならない.また,血管の状態を正しく評価し,患者の血管状態に合わせた穿刺方法や穿刺針を選択し教育することが必要である.

  • 久保 哲哉, 一色 啓二, 富田 一聖, 富田 耕彬
    2021 年 2 巻 2 号 p. 59-61
    発行日: 2021/11/09
    公開日: 2022/11/09
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    在宅血液透析(Home Hemodialysis:HHD)における水処理システムについては,その使用が間歇的であるためRO水が停滞し,また未消毒の部分も多いため配管内での2次汚染は避けられず,RO水の清浄度を上流から管理することは困難である.消毒機能のない個人用RO装置を使用した水処理システムにおいて透析液の無菌性を担保するためには,個人用透析装置のETRFに頼らざるを得ず,ETRFの適切な運用と管理が重要である.

  • 宮平 純一, 久保 哲哉, 一色 啓二, 富田 一聖, 富田 耕彬
    2021 年 2 巻 2 号 p. 62-64
    発行日: 2021/11/09
    公開日: 2022/11/09
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    在宅血液透析(HHD)で使用される逆浸透水(RO水)はその使用が間歇的であるため水質管理が困難である.また各家庭におけるRO水質の生物学的汚染度にはばらつきがあるが,その原因は明らかではなく,原水の水質がRO水の水質に影響を及ぼしている可能性がある.当院でHHDを行っている8名の患者の家庭において原水とRO水の細菌数,ET(エンドトキシン)濃度を月に1回測定し,その相関について検討を行った.結果,細菌数は原水よりRO水の方が多く,ET濃度はRO水より原水の方が高い傾向にあったが,細菌数およびET濃度ともに原水とRO水に相関は認められなかった.これらの結果より,個人用RO装置内における細菌汚染のリスクは否定できず,透析液の清浄度を担保するには個人用透析装置のエンドトキシン捕捉フィルタに頼らざるを得ないと考える.

  • 大橋 直人, 村杉 浩
    2021 年 2 巻 2 号 p. 65-68
    発行日: 2021/11/09
    公開日: 2022/11/09
    ジャーナル フリー

    在宅血液透析(Home Hemo Dialysis:HHD)は個人用透析監視装置・逆浸透(RO)装置を各患者宅に設置し治療を行うため,各地域の環境により装置故障の頻度は異なる.特に個人用RO装置は軟水器などの前処理工程が一部簡略化され,かつ小型のROモジュール形状のため原水成分や水温,季節変動などの影響を受けやすい構造になっている.そのため,予め導入される患者地域の原水成分を事前に調査し,それに応じた部品交換の頻度などを考慮し対応する必要がある.また,HHDの排水は直接河川や浄化槽を経て下水道に流れるため,消毒剤や洗浄剤の排水についても対策を講じる必要がある.

原著「透析技術」
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