在宅血液透析(HHD)は連日の穿刺により血管が荒廃し,穿刺困難や菲薄化,止血不良などが生じる例がある.今回,ダルニードル針,AVF針使用中に血管への穿刺トラブルを認めた4症例について,穿刺針の変更と自己穿刺の再教育を行った.
4例中2例はダルニードル針からAVF針,さらにプラスチックカニューラ針に変更した.2例はAVF針からプラスチックカニューラ針に変更した.
ダルニードル針はトランポリン現象や肉芽形成,感染が発生した.AVF針では全症例で穿刺部に菲薄化や発赤出現を繰り返した.プラスチックカニューラ針は広範囲に穿刺ができ,体動による血管損傷もなかったが,手技にコツが必要で回路との接続に介助が必要となった.
全症例で最終的にプラスチックカニューラ針へ変更したが,それぞれの針にメリット・デメリットがあり,患者の穿刺技術や介助者の負担などを総合的に考慮しながら針を選択しなければならない.また,血管の状態を正しく評価し,患者の血管状態に合わせた穿刺方法や穿刺針を選択し教育することが必要である.
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