長時間透析は,食生活の自由度が高く,食欲の安定と食事摂取量の確保により良好な栄養状態の維持が期待できる.慢性腎臓病に対する食事療法基準2014 年版(日腎会誌2014;56(5))は,標準的透析患者を対象としており,長時間透析のための指針ではなく,適切な栄養素摂取に関する報告もない.食塩管理も含めてエネルギーやそのほかの栄養必要量は個別の栄養アセスメントをとおして考えなければならない.
一方,食生活の自由度が高いことは,一般的に制限があるカリウムやリンの摂取を気にせず食事を摂ることができるが,完全な自由食ではない.長時間透析においても,体液量(体重)管理のために食塩管理は重要である.
長時間透析のメリットを最大限活かすために「しっかり食べながら減塩」の食事指導は基本である.そのためには,「しっかり食べて」の表現だけではなく,多様化する生活背景に応じた,具体的な食塩管理指導を実践する必要がある.
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