2023 年 3 巻 1 号 p. 39-44
頻回のシャント穿刺が原因として最も疑われる感染性心内膜炎,脳梗塞,敗血症性肺塞栓症を併発した在宅血液透析の症例を経験したため報告する.症例は52歳男性,X-11年に多発性嚢胞腎による腎機能低下のため当院で血液透析導入となり,同年に在宅血液透析に移行した.X-4日に発熱,全身脱力を自覚し当科に緊急入院となった.血液培養で2セットからメチシリン感性黄色ブドウ球菌(meticillin-susceptible Staphylococcus aureus:MSSA)が検出され頭部MRI検査で多発脳梗塞を,心臓超音波検査で感染性心内膜炎をそれぞれ指摘され,関連病院の心臓内科に転院,抗菌薬加療(合計58日間投与)を行い第63病日に自宅退院となった.頻回のシャント穿刺が血流感染の原因と考えられた.