日本在宅血液透析学会誌
Online ISSN : 2435-2519
総説
医師の立場で考える患者と医療者のコミュニケーション
伊東 稔
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2023 年 3 巻 2 号 p. 61-65

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抄録

医療において患者と医療者のコミュニケーションは重要であり,患者の症状や治療に関する情報の伝達や意思決定が含まれる.透析医療では,患者と医療者の関係が長期にわたる特殊な医療であり,良好なコミュニケーションが患者の生活の質にも関連すると考えられる.医療者と患者の関係性は変化しており,医師中心のパターナリズムから患者の価値観を重視する共同意思決定(SDM)へと移行している.透析医療においても患者の主訴や症状に注目し,患者の意向を反映した治療法を採用する取り組みが行われている.また,診療ガイドラインの策定にも患者の意見が取り入れられるようになっている.透析医療は慢性期医療であり,患者の治療に対するモチベーションの維持が難しい場合がある.このような特殊性を考慮しながら,医療者と患者の関係性を良好に維持するためのコミュニケーションスキルが重要である.

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© 2023 一般社団法人 日本在宅血液透析学会
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