保健医療社会学論集
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人口変動新潮流と看護・介護職の国際移動(教育講演,<特集>第36回大会(2010年度)山口県立大学)
小川 全夫
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2011 年 21 巻 2 号 p. 65-76

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抄録

現在日本をめぐる世界の情勢変化は、介護や看護の制度的枠組みに大きな影響を与え始めている。その変化のひとつに人口変動の新潮流がある。日本の人口に即していえば、第一の人口転換による少子高齢化を通り越して、第二の人口転換による人口減少へ突き進むということと、将来的に増加が見込まれる海外からの転入人口増加が特徴である。国際的には経済格差が大きい先進国と発展途上国の間で強い国際人口移動の可能性があり、単純労働と高度人材の両面から実際的な移動が生じている。中でも、介護・看護職移動はきわめて大きな関心を呼ぶ現象となっている。日本では、介護・看護職の国際移動といえば、EPA(二国間経済連携協定)の枠組みによるインドネシア・フィリッピンからの看護師・介護福祉士候補者の受け入れや定住外国人のホームヘルパー就職問題として注目されている。そこで提起された課題を整理し、今後の国際化に対応するために提言する。

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© 2011 日本保健医療社会学会
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