2016 年 27 巻 1 号 p. 3-11
医療コミュニケーションはこの数十年の間にどのように変化してきたか、その変化の方向性と特徴を精神科領域を中心に探ることが本稿の目的である。この領域で注目される4つの試み、「病いの語り」、「ナラティヴ・アプローチ」、「当事者研究」、「オープン・ダイアローグ」を検討した結果、いずれの試みも「平等化」と「民主化」を推進するものであることが確認された。また、それらは斬新なコミュニケーション・デザインとコミュニケーション・モードによって達成されており、さらにこうした動きの背景には「倫理化」というもうひとつの重要な動きがあり、慢性疾患を生きる上で重要な意義をもつことが示唆された。