医療をはじめ様々な領域でピアの存在の重要性が指摘されている。先行研究においてはピアの「同一性」が前提とされる傾向にあるが、本稿では乳がん再発をめぐる同病者の「共同性」を主題に、再発の有無という「差異」のもとで「共同性」はいかにして可能かを問う。再発を経験した2名にインタビューを行い、再発していない人たちとの間にどのようにして「差異ある共同性」を作っているのか、得られたデータをもとに検討する。その結果、以下のことが明らかになった。1つは、「再発しても元気でいる」という「共同体の物語」を再発した人が再発していない人に共有することがあった。もう1つは、病気の軸とは別の文脈や役割を介在させることで「多義的な関わり」を作ることがあった。