2022 年 32 巻 2 号 p. 111-121
看護専門職は、看護を必要とする対象、すなわち患者やその家族に対して責任を果たす必要がある。しかし看護師が責任をどのように認識し、どのように責任を果たそうとしているのかは明確になっていない。本研究は、看護師がどのように責任を果たそうとしているのか、そのプロセスを明らかにすることを目的とし、15名の看護師を対象として修正版グラウンデット・セオリー・アプローチを用いた質的帰納的研究を行った。本研究の結果から、看護師が責任を果たそうとするプロセスには、看護師は看護専門職としての特性を意識化する必要があり、実践により患者にとっての利益を届ける、あるいは患者にとっての不利益を回避するという一連の内容が含まれていたことが明らかになった。看護師は実践に必要な患者の情報を収集し、治療によって患者の日常生活が妨げられないよう「関門機能」として看護師の権限を行使し、その行使した権限に対する義務を負おうとしていることが示唆された。