遺伝性腫瘍
Online ISSN : 2435-6808
症例報告
結節性硬化症患者に発症した乳癌の1 例
遠藤 香代子金城 和寿貞苅 良彦木村 芳三大河原 一真中根 浩幸吉田 直裕岩永 彩子廣方 玄太郎青柳 武史田中 将也緒方 俊郎谷口 雅彦
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キーワード: 結節性硬化症, 乳癌, 化生癌
ジャーナル オープンアクセス

2022 年 21 巻 3 号 p. 65-69

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抄録

 結節性硬化症は,知能障害,てんかん発作,顔面の血管線維腫を古典的な三主徴とする遺伝性疾患である.結節性硬化症患者に発症した乳癌の報告は少ない.今回,結節性硬化症患者に発症した乳癌の症例を経験したので報告する.

 症例は44歳,女性.6歳時に結節性硬化症と診断され,26歳で腎血管脂肪腫の破裂により右腎を摘出し,42歳で腎不全のために血液透析を導入した.今回,急速に増大する左乳房腫瘤を認め当院で精査を行った結果,左乳癌の診断となった.左乳房全切除+腋窩リンパ節郭清を行い,病理診断はBreast cancer pT3N1M0 pStage ⅢA ER(estrogen receptor)0%,PgR(progesterone receptor)0%,HER2(human epidermal growth factor receptor type 2)スコア0,MIB-1 90%であった.術後化学療法を開始したが,化学療法中に急速に増大する局所再発を認め,精査時には心膜にまで達していた.局所放射線治療と化学療法を行ったが,治療抵抗性であり術後約7カ月で死亡した.

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© 2022 一般社団法人日本遺伝性腫瘍学会
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