抄録
本研究では、乳幼児における食育をテーマとした教育実践及び実践内容の介入を目的とした論文を第 4 次食育推進基本計画における 16 の目標で対応させることによって、乳幼児を対象とした食育の現状と課題を明らかにすることを目的とする。資料選定基準に基づき、22 件の先行研究をレビューした結果、16 の目標のうち、「食育に関心を持っている国民を増やす」事と関連のある研究が 20 件となっており、1 番多い結果となった。特に、調理体験活動を取り入れた事例が多く見られた(上田ら、2016:今井、2017:冨永ら、2018 他)。また、いくつかの文献において比較対象群を設定したりするなどして、食育の効果を定量的に提示していた。しかしながら、どのような食育の内容がより効果的であるかについては同一尺度を用いた研究がないことから、検討が難しかった。今後、より教育効果の高い食育実施するためには、長期的な効果を狙った定量的な効果測定が求められると考えられ、より一層乳幼児教育の現場との連携が重要になってくると考えられる。