遺伝性腫瘍
Online ISSN : 2435-6808
臨床経験
院内完結型遺伝性乳癌卵巣癌症候群(HBOC)診療体制の構築によりリスク低減卵管卵巣摘出術(RRSO)実施に至った1例
安田 有理川村 真亜子古田 昭彦豊島 将文
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ジャーナル オープンアクセス

2022 年 21 巻 3 号 p. 89-93

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抄録

 遺伝性乳癌卵巣癌症候群(hereditary breast and ovarian cancer syndrome;HBOC)患者におけるリスク低減卵管卵巣摘出術(risk-reducing salpingo-oophorectomy:RRSO)はもっとも確実な卵巣癌予防法であるが,実施にはいくつかの要件が必要と考えられ,医療機関において体制整備が求められる.RRSOが保険診療となる2020年4月以前,県内にRRSO実施施設がなかったことから自施設での導入を試み,これまでに6例のRRSOを実施した.そのうちオカルト癌が認められた1例についてRRSO実施に至る過程を振り返り,自施設でのRRSO導入の意義と課題について考察する.

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© 2022 一般社団法人日本遺伝性腫瘍学会
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