2025 年 25 巻 1 号 p. 34-42
2020年1月から2023年2月までに当科で包括的がんゲノムプロファイリング(CGP)検査を受けた238名(女性98人,男性140人)を対象に,遺伝性腫瘍の割合,薬剤到達割合,遺伝性腫瘍患者の血縁者への対応について調査した.204人が組織検体のみのパネルを,34人が組織と非腫瘍組織ペア検体のパネルを受けた.7名はCGP前に遺伝性腫瘍と診断され,4名はCGP後に遺伝性腫瘍と診断された.遺伝性腫瘍患者11例と散発性腫瘍疑いと診断した213例の治療薬到達割合は,各々27%と8.5%であった(p = 0.08).CGP検査の後に遺伝性乳癌卵巣癌と診断された患者の血縁者2家系5名に遺伝学的検査を行い,3例が未発症のBRCA2病的バリアント保持者と診断された.