主催: 水文・水資源学会
本研究では,日本のような湿潤地域における短時間で局所的な降水に対して現実に起こりうる範囲の土壌水分量の変化が影響を与えうるかについて,非静力数値気象モデルを用いた数値実験によって検討した.具体的には,2001年8月15日に琵琶湖周辺で観測された対流性降水について,土壌水分量初期値を2001年8月に琵琶湖流域で観測された最も湿潤な状態と最も乾燥した状態に設定し,非静力学数値気象モデルを用いた数値実験を行った.その結果,現実に起こりうる範囲の土壌水分量の変化が湿潤な地域における短時間で局所的な対流性降水に影響を与えうることが示された.