主催: 水文・水資源学会
国際水文科学会(IAHS)のPUB(水文データの乏しい流域の水文予測)Scientific Planはその目標を「予測の不確実性の幅を減らす(Reduction in predictive uncertainty)」としている.土木研究所は日本PUB研究コミュニティが発案する統一対象海外流域のPUB研究用データベースの公開準備を進めている.その際,予測や評価の元となる水文データの不確実性を把握することが重要である.1970年代から菅原タンクモデルが世界に広まった「水文モデルの擬似実時間相互比較についてのWMOプロジェクト(WMO Project on Simulated Real-Time Intercomparison of Hydrological Models)」に参加した菅原正巳は“悪い資料”に悩まされたことを記している.本稿では「観測値の質」について議論する.