主催: 水文・水資源学会
近年,水文水循環過程におけるパン蒸発計蒸発量の重要性が指摘されている(Peterson et al., 1995).世界各地におけるパン蒸発計蒸発量の長期データを利用した統計解析によって,同量が経年的に減少している地域があると報告されている.しかし,その要因のメカニズムは未だ明らかになっていなく,そもそも,パン蒸発計蒸発量の物理的な意味もはっきりとわかっていない.このような状況を鑑み,どのような気候因子がパン蒸発計蒸発量に影響を及ぼしているのかを明らかにするため,日本国内の気象データと既存の実験式,熱収支式を基に検討を行った.その結果,特に水温の影響は無視できない物理量であることを明らかにした.