主催: 水文・水資源学会
既存のダムが果たしている効果や役割として,水力発電,飲料水供給,洪水調節がある. しかし,生態系環境へ与えるダムの影響から,ダム事業に対する批判が高まりつつあり,新たなダムの建設が困難な状況である.そこで,既存のダム貯水池をいかに有効活用するかがますます重要な課題となっている. 本研究では,利根川上流域に位置する6つのダムを対象に,各ダムの貯水容量の変化から,渇水時におけるダムの存在について検討を行った. 1994年の夏季には,それまでは十分な貯水容量であったにも関わらず,その後渇水となった.この要因として,夏季に少雨であったことに加え,統合管理によるダム操作が効率的でなかったことが考えられる. 全体の貯水容量を把握し,より効率的な統合管理を行うことで,渇水は軽減できるのではないかと考える.