抄録
森林と河川のインターフェイスとして様々な物質代謝や水・エネルギーの交換が行われる場である河畔林では,大量の落葉が河川・森林土壌の双方にとって重要な炭素源,栄養源となっており,その溶存態,粒状態の動態は渓流,下流河川の水質や生物環境に大きな影響を与えている.しかしながら,このような河畔林における分解・破砕の進んでいない新鮮な落葉の移動については,まだ十分に解明されていない.本研究では,山梨県瑞墻山の試験流域において,渓流の付近で生産され,林床上を移動し渓流に供給される3種類の落葉(ミズナラ,シラカンバ,ヤナギ)の動態を調査した.特に今回は,個葉の移動特性に注目し,渓流からみた個葉の移動を定式化し,渓流への落葉の供給源となりうる範囲の推定を行った.