抄録
平野らにより、土石流の発生限界降雨量は、到達時間内の累加雨量に規定される事が理論と実験により明らかにされて来た。この到達時間を求める方法は明確な値が求まらない場合もあるため、森山・平野らにより、ニューラルネットワークを使って到達時間を求めないで発生予測を行う方法や、平野・川原らによって、ニューラルネットワークを用いて到達時間を明確に求める方法が提案された。<BR />
しかし、ニューラルネットワークは、発生に比べて不発生の情報が多いと全ての場合で不発生と判定してしまう傾向が強くなり、土石流の発生が少ない地域では利用が困難であるという問題点を抱えている。そこで今回は、土石流ではなく、流域の洪水資料から到達時間を求める方法を検討した。その結果、土石流の履歴資料が少ない場合でも、洪水資料があれば到達時間が推定可能になり、容易に発生限界降雨を求める事が可能になることを示した。