抄録
降った雨が下流に到達するまでの時間(リードタイム)が短い中小河川においては、水文モデルを用いて洪水予測を行うことは、リードタイムを確保すると言う意味において極めて重要な役割を演じることになる。現地観測データを用いて流出モデルによる洪水流出計算の精度評価を行い、分布型流出モデルを組み込んだ洪水予警報システムの有効性を示すことが本研究の目的である。本研究で対象としているMaeWang流域は洪水多発地帯であり、今回の解析対象期間にも洪水警報を発令する基準値となる流量150トン以上のイベントが3回観測されている。こうしたイベントが精度よく再現できるかどうかが本研究のポイントとなるが、今回の流出シミュレーションにおいては非常によく再現できたといえる。しかしながら、まだイベントによっては過大・過小評価をしている場所もあり、こうした誤推定の原因を考慮しつつ、更に精度を向上させることが望まれる。