抄録
ウズベキスタンとカザフスタンに広がるキジルクム砂漠は典型的な砂漠であり,なおかつ特徴的な気候条件と生態系を有している.砂漠にはオアシスが点在し,現地住民はそれらを作物灌漑に用いている.流域の水循環を理解することは持続的な農業を行う上で非常に重要であるといえる.現地研究者の間でも中央アジアの気温上昇が顕著であることが知られており,ここ100年の気温上昇は0.9-1.0度,25年で0.4-0.5度と認識されている.これはIPCCで議論されている全球平均値0.6度に較べて高い値である.ICBA試験農場では1日に2回ほど気温と湿度データを記録しているが,オアシスおよび乾燥地の水文過程を理解するには不十分であることから,気象・水文観測およびボーエン比法を用いた水・熱フラックス推定を2006年11月から行っている.