抄録
古生層堆積岩流域の斜面中腹に深さ18mの観測井を設置した。観測井位置では深さ16mに亀裂の多い風化砂質泥質岩と亀裂の少ない砂質岩の境界がある。地下水位が16m以深のとき透水性の変動が小さくなることがわかった。ただし亀裂が少なくても10-6~10-5オーダー(cm/s)の透水性が認められた。2007年は8月以降降雨量が少なく、10月中旬に地下水位は観測井の測定範囲を超えて低下した。3月下旬に60mmを超える降雨を記録してからおよそ1ヶ月後に地下水位が観測井内に復帰した。この地下水のかん養については、期間を通じて地下水温は約14℃で一定だったことから、降雨が地表から速やかに流入した可能性は低いと考えられる。深さ16mよりも浅い範囲では、降雨時の透水性の地下水位に対する変化率がほぼ同じであるため、この範囲の透水性は水分状態によるヒステリシスが小さいことがうかがえた。