抄録
豊平川を中心とした札幌市における水循環量は近10年において、ほとんど変化がなかった。豊平川の水資源は三分されて札幌市を循環している。そのうち札幌市中心部を循環する経路の終端に茨戸川があり、札幌市の負荷が集中し、かつ停滞性の高い水域であることから富栄養化が進行していた。茨戸川の富栄養化対策として、浄化用水の導水が2007年より実施されている。導水は豊平川河川水を創成川に取水し、茨戸川に導入する経路で行われた。導水により札幌市の水循環量は100m3/日増加し、中央経路の循環割合が32%から39%に増加した。導水によって茨戸川のBOD濃度は1mg/L低下した。またシミュレーションにより導水効果を検証した結果、希釈・押し出しの効果によりBOD濃度が低下し、創成川合流点から上下流に効果が現れることがわかった。