抄録
本研究は,湖沼等おける増加の可能性が危惧されている難分解性有機物の輸送量に関する実態調査と要因分析を目的として,栃木県足利市を対象として難分解性有機物量の排出量を推定した.難分解性有機物の排出量は,採水100日後の全有機炭素(TOC)濃度あるいは溶存態有機炭素(DOC)濃度に超音波式流向流速計(ADCP)で測定した河川流量を乗じて推定した.その結果,同市からの難分解性TOC排出量は4.6g/s程度,難分解性DOC排出量は3.5g/s程度であり,これはTOC排出量の46%程度,DOC排出量の47%程度に相当することがわかった.さらに,同市の難分解性有機物の排出原単位を試算した結果,人口一人当たりのTOC排出量は2.5g/d程度,DOC排出量は1.9g/dと判明した.