著者らは人体に可搬性の高い小型センサを装着し、人の移動経路に沿って微気象変化及び人体生理反応の応答を計測評価する“ラグランジュアン人間気象学(Lagrangian Human Biometeorology: LHM)”の構築を試みている(仲吉、神田:2009)。LHMの構築のためには、可搬性の高い小型センサ開発が不可欠である。著者らは現在、熱環境因子として気温、湿度、風速、短波・長波放射を計測可能な、及び人体生理因子として脈拍、体温、主観的温熱感、人体代謝量を計測可能な小型計測システムの開発を行っている。本報告では、従来のセンサ技術ではLHMへの応用の難しい風速、短波・長波放射について、グローブ球を用いた新たな計測原理を開発したので報告する。