人為起源エアロゾルの降水への影響を調べるため、日本における降水の週周期性について研究した。2標本間の差異を検定するためのノンパラメトリックな方法であるWilcoxon-Mann-Whitney検定（順位和検定）を利用し、AMeDAS時間降水量について、ある曜日の降水頻度・条件付き降水強度が他の曜日に比べて有意に異なるか否かを検定した。その結果、降水頻度において、1990-1999年の春季および1995-2004年の冬季について広範囲で有意な差がみられ、特に後者については日本海側と太平洋側で異なる傾向がみられた。降水の週周期性の原因と考えられるエアロゾル濃度に関しては、衛星観測値および、地上観測値を用いて週周期性を調べた。衛星観測値では週周期性が認められなかったが、地上観測値では多くの観測地点で日曜日に最小濃度を示した。
