抄録
雨滴粒径分布計測に基づいた雨量計である、小型ドップラーライダ式雨量計(R2S, Rfft, FRG)と光学式雨滴径分布計(LPM, Thies, FRG)について、器差を確認するとともに、標準雨量計(転倒ます式雨量計)との比較を行った。
両者ともに、微細な雨滴を感知し、現在天気計としての機能が確認された。R2Sは、統計的な雨滴径分布(DSD)モデルから乖離するような降雨条件で標準雨量計との差違が顕著であった。また、大気密度が小さい高地では、標準雨量計を用いた校正が必要であった。LPMは、器差が小さく標準雨量計とも比較的よく一致した。異なった原理の雨量計を同時に使う場合には、事前の校正に加えて、測定装置の時空間特性の違いをよく考慮に入れる必要がある。