水文・水資源学会研究発表会要旨集
水文・水資源学会2012年度研究発表会
セッションID: P16
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降水
MPレーダ及び数値予報GPVに基づいた局地的豪雨の発生・発達メカニズム
*岡田 翔太
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抄録

近年,地球温暖化や都市化に起因する見られる記録的な集中豪雨や,短時間のうちに急激に積乱雲が発達する局地的豪雨による被害が増加している.本研究では,局地的豪雨の発生・発達メカニズムの解明を目的にMPレーダによる上空の降水粒子分布構造の時間的変動の解析,及び数値予報GPVに基づいた豪雨発生前の大気場の考察を行った. MPレーダとは,短時間で局地的に発生する豪雨を捉えるために,国土交通省が平成19年度から整備を始めた新たな気象レーダである.主な特徴として,既存のCバンドレーダでは水平方向の偏波のみを観測していたが,MPレーダでは水平方向と鉛直方向の偏波を観測することで,2つの偏波の位相差など様々な偏波パラメータを得られることが挙げられる. 本研究ではこの偏波パラメータを用いることで,豪雨発生前の上空の雨滴粒径の推定,降水粒子の判別を行い,豪雨発生前の積乱雲内部における降水粒子分布構造の変動を確認した. また,気象庁の配信するGPV情報を用いて積乱雲の発達に関連すると思われる相対湿度と風速・風向きに関して考察することでどのような大気条件が要因で積乱雲が発達し豪雨がもたらされたのか検討した.

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© 2012 水文・水資源学会
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