抄録
水平スケールが数百km以上の降水現象 (前線・低気圧に伴う雨など) と、 数km~数十kmの降水現象 (局地的大雨など) は、さまざまな異なった特徴を持つ。その中でも、移動特性の違いに着目して運動学的降雨予測手法の高度化を図った。従来よりも時空間的に高解像度なXバンドMPレーダーによる観測を用いて、ウェーブレット変換により、水平スケールが数十kmより大きい成分と小さい成分に分けることができた。分けたそれぞれの成分に対して、運動学的予測を行った。その結果、特に水平スケールの小さい成分の移動予測が改善し、予測誤差が小さくなって予測精度が向上した。