水文・水資源学会研究発表会要旨集
水文・水資源学会2012年度研究発表会
セッションID: 38
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気候変動・地球環境1:国内(9月28日12:40~13:40)
地域の脆弱性を考慮した日本の内水被害リスク推定
福林 奈緒子新田 友子*沖 大幹瀬戸 心太
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抄録
 気候変動による水害リスクの増大が指摘されている.適応策立案支援のために有効な水害リスクの簡便かつ正確な推定法を開発することが重要である.福林・沖(2012)は,簑島(2010)およびOkazawa et al. (2011)を参考に,日本における内水被害リスク推定手法を開発した.この手法では,外力となる毎日の日降水量を,年最大日降水量から超過確率を求める極値統計の手法を用いて,超過確率相当指数(EPI;値をwで表す)に変換して用いる.ここで,年最大日降水量はガンベル分布に従うとして,分布パラメータは1976~2010年のアメダス雨量データを用いて緯度経度0.1°ごとに推定している.次に1993~2009年における雨量データと水害統計から,内水災害についての条件付き災害発生確率Pc(w)および災害1回当たりの被害額期待値(損失関数;L(w)で表す)を,EPIの関数として求める.上記研究では,Pc(w)およびL(w)は日本全域で同じ関数であるとしているが,実際には地形などの自然条件や人口などの社会条件に強く影響されると考えられる.本研究では,脆弱性の指標を用いることでPc(w)およびL(w)の精度を向上させ,内水被害リスクの地域分布を正確に表現することを目的とする.また,気候変動による内水被害リスク変化の算定を試みた.
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© 2012 水文・水資源学会
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