抄録
河川計画や洪水予報において,流域内の雨量分布や流下特性を把握することは非常に重要ではあるが,その詳細な把握や推定は困難な場合が多い.流出解析における雨量データは,これまで地上雨量観測所による地点雨量のデータしかなかったため,面的な算出方法としてティーセン法などといった流域平均雨量(面積雨量)を用いることが多かった.しかし,Cバンドレーダ(以下,レーダ雨量計)といった面的な雨量推定が可能になり,その精度も向上したことから,その検討も行われている(山田ら,1997).
そこで本研究では,レーダ雨量計の他に,最新の高性能降雨観測レーダであるXバンドMPレーダ(以下,X-MP)の推定値による面積雨量を用いて,ティーセン法により算出した地上雨量観測所の面積雨量と比較検討を行った.