九州の流域における雨水貯留量推定値と流量の比較

抄録

本研究は，降雨流出現象の地域特性を定量的に評価する方法論の妥当性を検証するため，流域スケールの雨水貯留量と河川流量の関係を推定し，その流域間比較を九州地方の一級河川の流域を対象として行った．流域スケールの雨水貯留量は千葉・横尾（2015）の手法によって推定した．その結果，流域スケールの雨水貯留量と河川流量の関係に基づいて，流域スケールの降雨流出過程の地域特性を比較することができること，九州地方の一級河川の流域は中間流出成分の貯留・流出特性の違いに支配されていることが明らかになった．