水文・水資源学会研究発表会要旨集
水文・水資源学会2017年度研究発表会
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【流出・水文統計】9月21日(木)9:00~10:30
物理的降雨流出過程を組み込んだグローバルな陸域モデルの開発
兎澤 知浩*山崎 大*沖 大幹
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p. 36-

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抄録

本研究は、全球陸域モデルの枠組みで降雨流出過程を物理的に表現することを目的としている。降雨流出過程の地球システムに寄与する影響は無視できないが、全球規模でそれを物理的に表現したモデルは少ない。本研究では、流域スケールで降雨流出過程と氾濫現象を一体的に解く特徴を持つRRI(降雨流出氾濫)モデルにFLOW手法と呼ばれるアップスケール手法を適用する。再現実験の精度を落とすことなく計算効率を向上させることで、RRIモデルでは実現できなかった全球規模で斜面プロセスを物理的に解く陸域モデルの開発を試みた。鬼怒川洪水の再現シミュレーションによってモデルの妥当性を検証したところ、低解像度のRRIモデルよりも流量の再現性が良くなり、また計算コストも改善された。低水時の地下水スキームや熱収支を考慮した詳細な陸面プロセスを組み込むことで、本モデルは統合的な全球陸域モデルとなる。本研究はその基盤となる第一歩である。

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