水文・水資源学会研究発表会要旨集
水文・水資源学会2019年度研究発表会
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【流出】
衛星観測水面標高データを用いた河川氾濫モデルの河道深パラメータの改善
*塩澤 拓斗山崎 大
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p. 168-

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抄録

将来の洪水リスク推計において,全球河川氾濫モデルを用いた浸水面積推定は大きな役割を果たしてきた.一方で,モデルによる推定結果は,衛星観測された浸水状況と乖離していることが明らかになっている.原因の一つとして,地形パラメータの一つである「河道深」の不確実性が挙げられる.既往の全球モデルでは,現地実測値を基に作成された流域面積の関数として河道深を計算しており,地形や地質の違いに起因する河道深の局所的なばらつきを考慮していない.衛星観測を用いて河道深推定を試みた既往研究は存在するが,実衛星観測データとモデルを用いた全球スケールにも適用可能な効率的な推定手法は確立されていない.そこで,本研究では,河道深の逆推定を効率的に行う手法を開発し,仮想実験と実観測データ実験を通じて,アマゾン川流域内の一部の地域においては本手法が有効となりうることを確認した.課題として,衛星観測のプロジェクトごとの観測誤差や氾濫原の数値標高モデルの誤差などを考慮し,より現実性の高い推定を行うことが挙げられる.

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© 2019 水文・水資源学会
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