河川水中に溶存する物質の濃度パターンを利用して,流域からの溶存態物質の輸送割合や人為由来物質の影響の推定手法について検討した.対象流域は釧路川流域とし,主要イオンの濃度パターンを用いた起源推定においては,流域を構成する小流域と下流域の物質量に対して重回帰分析を適用し,推定誤差を最小にする回帰係数を小流域からの輸送割合(寄与率)として算出した.さらにベイズ理論を適用し,結果の比較を行った.事前に統計的検定によって使用するデータの違いによる結果の比較も行った.14種の希土類元素の濃度パターンについては工業的な用途を考慮して分類し,規格化された濃度を用いてそれぞれクラスター分析した.ベイズ理論を利用した結果,適用しない場合に比べて小流域からの下流端への輸送割合が妥当な結果が得られ,季節的な傾向も矛盾のない結果が得られた.また,希土類元素のクラスター分析の結果は市街地との対応がみられ,工業的な用途を考慮してREEを分類することで人為起源の物質の水環境中への広がりを推定できることが示唆された.