水文・水資源学会研究発表会要旨集
水文・水資源学会/日本水文科学会 2023年度研究発表会
セッションID: OP-6-01
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口頭発表(一般セッション)
150年連続計算データを用いた梅雨期の集中豪雨及び前線構造の将来変化予測
*仲 ゆかり原田 茉知中北 英一
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キーワード: 梅雨前線, 豪雨, 気候変動
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抄録

平成30年7月豪雨や令和2年7月豪雨など,近年は梅雨前線による集中豪雨が頻発しており,多数の死者を含む甚大な被害をもたらしている.こうした豪雨の頻発を受け,気象庁は平成30年7月豪雨に対して初めて地球温暖化の影響を示唆し,治水等の防災事業を気候変動に適応させる動きが加速している.これまでも地球温暖化による集中豪雨への影響は様々な既往研究において解析がなされてきた.しかし,それらの多くは特定の期間の現在気候と将来気候を計算したタイムスライス実験のデータを用いて行われており,現在から世紀末に至る時間連続的な将来変化予測はあまり行われていない.地球温暖化は一定のスピードで進むとは限らず,急激に進行,あるいは緩和される可能性もあるため,気候変動適応策は段階的に進めることが非常に重要となる.そのため,タイムスライス実験による将来変化予測だけではなく,時間連続的な将来変化予測は極めて重要な情報となる.

中北らは,文部科学省の「統合的気候モデル高度化研究プログラム」で作成された150年連続計算データを用いて梅雨前線による降雨の将来変化予測を行っており,梅雨前線による影響は地球温暖化と共に徐々に北方まで拡大していくことを示している.本研究ではこの研究をさらに発展させ,梅雨前線構造の変化及びそのメカニズム,そして前線構造の変化が日本の降雨にもたらす影響を明らかにすることを目的とした.

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