抄録
成人発症Still病(adult-onset Still's disease: AOSD)は稀少疾患であり, 詳細な疾患メカニズムは依然として不明であるが, 血清フェリチンや血清IL-18の上昇を認めることから, これまで単球系細胞やそのインフラマソームの異常活性化が機序の1つとして想定されてきた. この総説では, AOSDにおける疾患概念, 診断, 治療といったこれまでの知見について包括的にまとめるとともに, インフラマソームを介した炎症において中心的な役割を果たすGasdermin DとAOSDとの近日報告された関係についても考察する.