日本免疫不全・自己炎症学会雑誌
Online ISSN : 2435-7693
総説
活性化PI3Kδ症候群を疑う10の徴候
金兼 弘和森谷 邦彦井澤 和司八角 高裕岡田 賢今井 耕輔
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2026 年 5 巻 1 号 p. 2-8

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抄録
 活性化PI3Kδ症候群 (APDS) はクラスIA PI3Kの触媒サブユニットp110δをコードするPIK3CDの機能獲得変異あるいはp110δの制御サブユニットであるp85αをコードするPIK3R1の機能喪失変異によって発症する原発性免疫不全症候群・先天性免疫異常症であり, 前者をAPDS1, 後者をAPDS2と称する. 臨床的には反復性気道感染, 進行性気道破壊, 気管支拡張症を特徴とし, 多くの患者でリンパ節腫大を認め, 高IgM血症や低IgG血症といった抗体産生不全症を呈する. 広義には分類不能型免疫不全症 (CVID) に含まれる. CVIDに準じて予防的抗菌薬投与や免疫グロブリン定期補充療法が行われるが, PI3Kシグナルの過剰活性化が病態の本体であることから, mTOR阻害薬のみならず, 選択的p110δ阻害薬が有用である. APDSは高率に悪性リンパ腫を合併し, 化学療法や造血細胞移植を必要とされることもまれでなく, 時には致死的経過をとることがある. 特異的治療としてmTOR阻害薬や選択的p100δ阻害薬を投与することが効果的なことがある. 「原発性免疫不全症候群を疑う10の徴候」に倣って作成された「APDSを疑う10の徴候」を参考にAPDSの早期診断を行い, 早期治療介入を行うことによって予後改善が望まれる.
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© 2026 一般社団法人 日本免疫不全・自己炎症学会
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