2017 年 27 巻 1 号 p. 45-65
概要. 連立常微分方程式の数値解法の一種であるexponential integrator において行列φ 関数の評価が必要となり,その計算には有理関数近似とscaling and squaring の組み合わせが用いられる.本論文では,現在までに2通り提案されている有理関数近似についていずれを用いるか決めるとともに,scaling and squaring に丸め誤差を削減するための改善を加える.数値実験の結果として,丸め誤差を最大で2桁程度縮小できたことを報告する.