概要. 本論文では,端点特異性をもつ解析関数の成す関数空間に対して,Ganelius 標本点を用いた関数近似公式を提案する.そして,この公式がSE-Sinc 関数近似公式よりも高精度となること,更には,最適な関数近似公式であることを示す.
概要. 量子コンピュータを使用したとしても計算量的に安全性を確保することができる耐量子コンピュータ暗号の研究が盛んに行われている.その耐量子コンピュータ暗号の候補の一つとして多変数公開鍵暗号がある.本論文では,多変数公開鍵暗号を構築する手法としてMulti-Layer Square+ を提案する.そして,提案手法を例とする安全性解析を行い,階層構造を持つMPKCs の推奨パラメータを導出する手順を解説する.
概要. 連立常微分方程式の数値解法の一種であるexponential integrator において行列φ 関数の評価が必要となり,その計算には有理関数近似とscaling and squaring の組み合わせが用いられる.本論文では,現在までに2通り提案されている有理関数近似についていずれを用いるか決めるとともに,scaling and squaring に丸め誤差を削減するための改善を加える.数値実験の結果として,丸め誤差を最大で2桁程度縮小できたことを報告する.