日本集中治療医学会雑誌
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原著
人工心肺併用下に行われた開心術症例の術後管理に影響する要因の検討
鈴木 智文小田 利通井上 敏高木 芳人
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2007 年 14 巻 3 号 p. 309-314

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抄録

【目的】開心術の術後管理に影響する患者, 麻酔および手術の要因を調査した。【方法】人工心肺併用の開心術症例425例で患者側の要因〔年齢, 性別, body mass index (BMI)〕, 麻酔の要因 (フェンタニル用量, 麻酔時間, 体液バランス), 手術の要因 (人工心肺時間) と術後の覚醒時間, 抜管時間, 鎮痛薬または鎮静薬初回投与時間との関係を検討した。検定は変数選択重回帰分析を行いP<0.05を有意とした。【結果】覚醒時間は年齢, 人工心肺時間と有意な正の相関が認められた。抜管時間は麻酔時間, 人工心肺時間および年齢と有意な正の相関が認められた。鎮痛薬初回投与時間は年齢, 人工心肺時間, 体液バランスと有意な正の相関が認められた。鎮静薬初回投与時間は麻酔時間との間に有意な相関が認められた。麻酔中のフェンタニル用量はいずれとも相関しなかった。標準化相関係数は0.087~0.324で低値であった。【結論】患者, 麻酔, 手術に係わる要因は, 単独ではなく相互に関連しあって術後管理に影響を及ぼすことが示唆された。

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© 2007 日本集中治療医学会
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