日本集中治療医学会雑誌
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解説
心臓移植の術後急性期管理
高内 裕司今中 秀光竹内 宗之西田 朋代橘 一也中谷 武嗣
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2007 年 14 巻 4 号 p. 551-554

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抄録
2006年末までに20例の心臓移植を経験したので, その術後急性期管理について報告する。原疾患は19例が拡張型心筋症で, 18例で左心補助人工心臓が装着されていた。ICU入室直後から9例でイソプロテレノールを投与するとともに, 全例で心臓ペーシングを行い心拍数を調節した。全例でドパミンなどのカテコラミンとヒト心房性ナトリウム利尿ペプチドを投与した。肝腎機能に問題のない症例ではシクロスポリン (またはタクロリムス), ミコフェノール酸モフェチル, メチルプレドニゾロンの三者併用免疫抑制療法を行い, 肝腎機能障害を呈した症例ではムロモナブ-CD3で免疫抑制を導入した。全例バイオクリーンルームに収容し, カテーテル類の早期抜去に努めた。全例順調に回復し, 平均8日でICUを退室した。心臓移植術後の治療は, 除神経心に配慮した呼吸・循環管理と腎機能の保護が肝要となる。
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© 2007 日本集中治療医学会
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