日本集中治療医学会雑誌
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解説
ICUの診療パフォーマンス評価に基づく診療報酬のあり方
武澤 純
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2008 年 15 巻 2 号 p. 171-178

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抄録

近年,病院を取り巻く社会環境は大きく変化しつつあり,それに対応して医療供給システムも変革が迫られている。これはICUにおいても同様であるが,これまでICUにおける診療パフォーマンスに関しての評価は行われておらず,ICUでの医療の質や安全に関して,学会が積極的に取り組んできたとは言い難い。診療パフォーマンスの評価は医療の質と安全の改善や診療報酬の適正化のために極めて重要であり,diagnosis procedure combination(DPC)制度の導入により実現可能となってきた。そしてICUは,重症度分類が進んでおり患者アウトカムが比較的明らかであること,大量の医療資源が投下される一方,施設によるバラツキが大きいことなどから,近い将来の導入が見込まれる。その場合,診療パフォーマンスの評価は構造,プロセス,アウトカムに基づき,重み付けを行って総合的に係数化する方法(機能評価係数化)が考えられる。本稿では,ICUにおける診療パフォーマンスの評価と,その診療報酬への反映について考察した。

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© 2008 日本集中治療医学会
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