目的:当センターで血管内冷却システムを導入し,従来の体表冷却との間でその有用性を比較検討した。
方法:心肺蘇生に成功して脳低温療法を実施した患者を対象とした。血管内冷却群は6例,体表冷却群は12例であった。来院から目標温到達までの時間,目標温と実際の体温の差を意味するaverage thermal burden(ATB)を比較した。
結果:来院から目標温到達までの時間は血管内冷却群で249±91分,体表冷却群で407±157分であり,後者に比較して前者で短い傾向が認められた。ATBは両群の体温維持期(0.03±0.02 vs. 0.32±0.16:
P<0.001),復温期(0.12±0.04 vs. 0.34±0.16:
P<0.05)ともに血管内冷却群で有意に小さかった。また血管内冷却システムに起因する合併症は認められなかった。
結論:血管内冷却法は従来の体表冷却法による体温管理に比べ優れていると思われる。
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