日本集中治療医学会雑誌
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原著
心臓手術術後早期経腸栄養法の検討
山名 孝治澤崎 優泊 史朗橋詰 令太郎小川 裕
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2009 年 16 巻 1 号 p. 45-49

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抄録
2001年より当科で施行している心臓手術術後早期経腸栄養法(enteral nutrition, EN)の有効性を検討するために,それ以前の高カロリー輸液(intravenous hyperalimentation, IVH)による術後管理法と比較検討した。心臓手術を受けた240名を対象とし,EN群,IVH群各120名とした。術後の中心静脈カテーテルの留置期間はEN群で有意に減少しており(P<0.001),入院期間の短縮を認めた(P<0.05)。術後感染性合併症は,総数ではEN群で有意に減少していた(P<0.01)。入院時と退院時の体重差,消化器系合併症(嘔吐,イレウス)は,共に両群で有意差を認めなかった。早期経腸栄養法は心臓手術術後に安全に行うことが可能であり,IVHを併用した経口摂取法と比べて,中心静脈カテーテルの留置期間が短縮され,術後感染性合併症が減少し,入院期間が短縮した。
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© 2009 日本集中治療医学会
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