日本集中治療医学会雑誌
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症例報告
腰部脊椎症と有機リン中毒の疑いにより診断が困難であった急性散在性脳脊髄炎の一例
小原 伸樹塚田 泰彦細野 敦之大橋 智中野 裕子中根 正樹五十洲 剛村川 雅洋
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2009 年 16 巻 2 号 p. 197-202

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抄録
62歳男性。既往は前立腺肥大症と気管支喘息。主訴は頭痛・倦怠感に続く両下肢麻痺と腸閉塞症状。意識レベル3(Japan coma scale, JCS)。脊椎X線CTで腰部脊椎症による両下肢麻痺と診断したが,全身状態不良のため保存的治療の方針となった。農薬の使用歴および縮瞳・流涎・舌の筋攣縮を認め,意識障害の原因を慢性有機リン中毒と診断した。呼吸循環動態が不安定なため,ICU管理とした。入院第10日に第4胸髄レベル以下の知覚低下,第13日に髄膜刺激症状を認めた。脳脊髄MRIでの脱髄病変,髄液所見,単相性の経過より急性散在性脳脊髄炎(acute disseminated encephalomyelitis, ADEM)と診断した。ADEMはウイルス感染やワクチン接種後に複数の病巣による神経症候を急性にきたす脱髄性脳脊髄炎である。本症例においては脊髄麻痺範囲の拡大が診断の契機となったが,紛らわしい病歴により受診直後の診断は困難であった。
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© 2009 日本集中治療医学会
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