日本集中治療医学会雑誌
Online ISSN : 1882-966X
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総説
集中治療領域における終末期患者の家族ケア
立野 淳子山勢 博彰山勢 善江
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2011 年 18 巻 3 号 p. 337-345

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抄録
2006年本学会において,集中治療における終末期医療のあり方が示されて以降,終末期患者の家族へのケアにも焦点があてられるようになった。今回,集中治療領域における終末期患者の家族ケアに関する2000年以降の海外文献をレビューした結果,以下のことが明らかになった。予期せず患者の死期が迫っていることを告げられた家族は,心理的危機に陥りやすく,様々な悲嘆反応を呈する。代理意思決定は,家族の精神健康状態を悪化させることもあれば,終末期ケアに対する満足度を高めることもあり,意思決定に至るプロセスが重要である。家族ケアでは,家族中心の意思決定を導くことや,家族と良好なコミュニケーションをとることが重要であり,これらは家族の終末期ケアの満足度を高めることにつながる。終末期にある患者の苦痛を軽減することは,家族に心理的安寧をもたらす間接的ケアになる。また家族のニードを満たせるように調整することも必要である。
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© 2011 日本集中治療医学会
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