日本集中治療医学会雑誌
Online ISSN : 1882-966X
Print ISSN : 1340-7988
ISSN-L : 1340-7988
原著
看護ミス発生後における当事者の建設的行動変容への影響要因
上脇 優子丹羽 さよ子
著者情報
ジャーナル フリー

2011 年 18 巻 4 号 p. 591-598

詳細
抄録

【目的】本研究は,看護行為の安全性の強化に向けた建設的行動変容の影響要因を明らかにすることを目的として実施した。【方法】対象は,200~300床規模の病院に勤務する看護師で,無記名自記式質問紙による調査を郵送回収により行った。調査票の中の質問項目については信頼性・妥当性の検討を行い,これらの項目にコーピング特性と組織風土の尺度を加え,建設的行動変容との関連性について分析した。【結果】建設的行動変容と関連を認めた項目は,「看護師長によるサポート」「コーピング特性」「組織風土」であった。【結論】建設的行動変容には看護師長の「評価的サポート」が有用であり,問題に直接焦点を当てて解決を図ろうとする「問題焦点型のコーピング特性」と「伝統自由・組織活発型」の組織風土が有用であることが示唆された。

著者関連情報
© 2011 日本集中治療医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top