日本集中治療医学会雑誌
Online ISSN : 1882-966X
Print ISSN : 1340-7988
ISSN-L : 1340-7988
総説
中心静脈カテーテル関連血流感染症の予防
芳賀 克夫
著者情報
ジャーナル フリー

2012 年 19 巻 2 号 p. 185-189

詳細
抄録
2006年にPronovostらは,catheter-related blood stream infection(CRBSI)の予防法として5つの対策であるバンドルケアを発表した。これは,(1)カテーテル挿入前に手指消毒を行うこと,(2)central venous catheter(CVC)挿入はmaximal sterile barrier precautions(MSBP)で行うこと,(3)CVC挿入前に2%クロルヘキシジンで皮膚消毒を行うこと,(4)CVC穿刺部位に大腿静脈は避けること,(5)不要になったカテーテルは速やかに抜去することである。この対策は,現在全米で強く推進されているところである。しかし,我々が日本で外科入院患者を対象に行った無作為比較試験では,MSBPの有用性を見出すことはできなかった。CRBSI対策のエビデンスは混沌としており,確固たるゴールド・スタンダードが確立している状況ではない。本稿では,これらCRBSIをめぐるエビデンスについて,多方面から解説する。
著者関連情報
© 2012 日本集中治療医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top