2012 年 19 巻 2 号 p. 211-214
症例は75歳,女性。機械的換気を要する喘息重積状態でICUに入室した。神経筋遮断薬を用いずに深い鎮静で呼吸管理を行い,大量ステロイド療法で重積状態を乗り切った。鎮静薬中止後も昏睡状態が遷延し,その後CKが9,150 U/lまで上昇した。意識障害の改善と共に弛緩性四肢麻痺が顕在化した。電気生理学的検査とミオシンフィラメントの選択的脱落を示す筋生検所見より,acute quadriplegic myopathyと診断した。大量ステロイド療法に加え,鎮静と昏睡による不動化が発症に関与した可能性が考えられた。