日本集中治療医学会雑誌
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症例報告
肺動脈カテーテル検査に合併した肺動脈損傷・仮性肺動脈瘤形成に対してコイル塞栓術を施行し,救命し得た一症例
金本 匡史松本 直樹志賀 達哉楢原 創大川 牧生日野原 宏國元 文生齋藤 繁
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2012 年 19 巻 2 号 p. 237-240

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抄録
重症大動脈弁狭窄症(severe aortic valve stenosis, severe AS)に対する大動脈弁置換術(aortic valve replacement, AVR)の術前検査として施行した肺動脈カテーテル検査(pulmonary artery catheterization, PAC)中にガイドワイヤーによる肺動脈損傷を生じ,ショック状態となったものの,分離肺換気下に肺動脈コイル塞栓術を施行して救命し得た一症例を経験した。PACによる合併症の一つに,致死率50%とも言われる肺動脈損傷がある。今回の症例は迅速な対応と処置によって事なきを得,2日後には気管チューブを抜管して,5日後にICU退室となった。12日後にAVRが施行された後,42日後に合併症なく退院となった。
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© 2012 日本集中治療医学会
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